サクラサイト被害にあった場合の返金方法
サクラサイト詐欺とは、架空の出会い系サイトやSNSなどで、魅力的な相手(いわゆる「サクラ」)がいるかのように装ったり、簡単にお金がもらえるといったうまい話を持ちかけたするなどして、サイト内においてポイント購入を促してお金を騙し取る詐欺行為です。「うまい話」とサイト内における「ポイント購入」が2つがキーワードになります。
このような被害に遭った場合、騙し取られたお金を取り戻すことは可能な場合もありますが、手段は支払い方法によって異なります。それぞれのケースについて、具体的な返金手段を説明します。
① クレジットカードでポイントを購入した場合
手続きの流れ
- カード会社に連絡する。
クレジットカード会社のカスタマーサポートに連絡し、サクラサイト詐欺に遭った旨を伝えます。一定の手続を踏めば一定期間の間は支払いをとめてもらうことができることもあります。 - カード会社にチャージバックを申請する
クレジットカードの支払いには「チャージバック」という制度があり、異議申し立てを行って詐欺や不正な取引であることが認められれば、支払いを取り消してもらえる可能性があります。但し、チャージバックが認められるには、カード会社独自の要件をみたす必要があります。また、サイト内におけるやりとりを証拠として提出したりするなど、詐欺にあった毛気を記載した書面を提出するなども必要になってきます。
注意点
• チャージバックには申請期限があります(通常、取引から60〜120日以内が一般的)。申請期限を少しでも過ぎると、チャージバックの対応は受け付けてもらえません。
• サクラサイトにおけるクレジットカード被害の場合には、対応が早ければ全額返金ができる可能性が高いです。そのため、とにかく被害にあってからの素早い対応が一番重要です。 - 決済代行会社に連絡する
サクラサイトにおけるクレジットカードの支払いには、決済代行会社が関与していることが多いです。サクラサイトに関するクレジットカードの決済履歴を確認すると、「050✕✕✕✕✕✕✕✕」などの番号が記載されていることがあります。この番号は、ほとんどの場合は決済代行会社の電話番号です。そこで、決済代行会社に電話をした上でその決済代行会社に対して詐欺被害にあったことを報告してサクラサイトの運営者情報の照会をかけることで、サクラサイトを運営会社の情報を取得することが可能です。そして、最終的には、決済代行会社に間に入ってもらってサクラサイト運営会社から返金を実現できるケースが多いといえます。
② プリペイド型電子決済サービス(電子マネー)で購入した場合
手続きの流れ
- 電子マネーの発行会社に照会を行う
電子マネーのカスタマーサポートに連絡し、詐欺被害を報告します。そして、電子マネーの発行会社に対して、各電子マネー決済に関する決済代行会社の情報について照会をかけます。多くの場合には、電子マネー発行会社からは決済代行会社の情報開示がされます。 - 決済代行会社に照会を行う
電子マネー発行会社からは、サクラサイトの各決済について決済代行会社の情報が開示されることが多いです。その場合には、判明した決済代行会社に対して電子マネー発行会社から提出された回答書を提出するとともに、サクラサイト運営会社の情報の照会をかけます。決済代行会社からは、サクラサイト運営会社の情報が開示されますので、決済代行会社を通じてサクラサイト運営会社と返金交渉を進めていきます。
注意点
• 電子マネー発行会社に照会をかけるためには、電子マネーの証票(管理番号などの記載されている映画のチケットのような紙)が手元に残っている必要があります。ただ、残念ながら、サイトからの指示で破棄してしまっているケースも多々見受けられます。電子マネーの証票が残っていなくても返金を実現できたケースもありますので、あきらめずに一度相談して下さい。
• ビットキャッシュやネットライドキャッシュなどの電子マネー決済では、返金が実現できる場合が多いです。ただし、早期の対応が返金のカギになってきますので、期間が経過してしまうと返金可能性が低くなってしまいます。
③ 銀行振込で購入した場合
手続きの流れ
- 銀行の口座凍結を行う。
銀行に対して振込先の口座凍結を申請します。具体的な手続きについては銀行の所定の部署に確認する必要があります。 - 警察に被害届を提出する
詐欺被害として警察に届け出を行います。被害届を提出することで、警察が詐欺グループの口座を調査したり、口座凍結を行ったりする場合があります。
注意点
• 振込が完了して時間が経つと返金が困難になります。早急な対応が重要です。
• 詐欺口座の口座凍結が実現すれば、返金の可能性が高まります。
④ アップルギフトカードで購入した場合
手続きの流れ
- Appleサポートに連絡する
Appleのサポート窓口に連絡し、ギフトカードを利用した詐欺被害を報告します。不正利用の調査を依頼してください。 - ギフトカードのコードを保管する
ギフトカードのコードが詐欺グループによって既に使用されている場合、Appleは使用状況を調査できます。使用前であれば、使用停止や返金が可能な場合があります。 - 警察に被害届出を行う
アップルギフトカードの場合は、自力でできる範囲も限られているため、ギフトカードの使用履歴をもとに、詐欺被害として警察に被害届出を行います。
注意点
• ギフトカードの使用状況によっては返金が難しい場合があります。
• カードを使用した記録や取引証拠をできるだけ詳細に集めることが重要です。
共通のアドバイス
- 消費生活センターに相談する
お住まいの地域の消費生活センターに相談すると、専門家のアドバイスを受けられます。 - 被害届や告訴状を準備する
警察に被害を届け出ることは、詐欺グループの摘発や被害回復のための重要なステップです。 - 弁護士の力を借りる
被害額が高額な場合や、自力での返金交渉が難しい場合は、弁護士に相談して法的手段を取ることを検討しましょう。
最後に
サクラサイト詐欺は巧妙な手口で、多くの人が被害に遭っていますが、早期の対応や適切な相談を行うことで、返金が実現する可能性があります。一人で悩まず、関係機関や専門家に助けを求めてください。